歴史というのも大袈裟ですが、徹創レザークラフトとして作品を作るに至った経緯を記しました。
私がレザークラフトに手を出したのは、大学2年生の頃でした。 当時、高校生だった弟が作ったものを見て興味が生まれたからです。 出来た物に対してよりも、作る過程が楽しそうだったんですよね。 弟に教わって、一番最初に作ったのはごくごくシンプルなカード入れでした。 これは、練習用として作ったので、まだ実用的とは言えないものだったのですが、一枚の革を製品に仕上げ、それを自分で使えるという革細工にかなりはまりました。
次に作ったのは、財布だったと思います。 紛失してしまいましたが、財布というよりはカード入れにポケットが付いたような形状で、お札も4つに折りたたんで収納するようなものだった上、当時は材料の革を買うお金もそれほど無く、2mmの革だけで全て作っていたためかなり厚い出来でした。
この頃の道具と言えば、三又の菱目打ち・菱キリ・カッター・定規・フノリ・ヘチマ・針・糸ぐらいで、カッターマットを買う気もなく、雑誌を代わりに使っていて机は菱キリの穴だらけでした。 また、革も東急ハンズで購入しており、30cm×30cmのサドルを何枚も購入していました。
大学の3年になった頃、半ば強引に友達の財布を二つ作らせてもらいました。 たばこワンカートンと交換で(笑) これらは、厚さ1.5mmぐらいの革できちんとした折りたたみ財布です。 6年経ったぐらいに会った時も、まだ使ってくれていたのがかなりうれしかったです。 当時は、サドル革とタンロウ革の違いすらわかっていなく、ずいぶん艶の無い革だなって思って使っていたのがタンロウ革だったのですが、ずいぶん使い込んでくれていてかなり味のある財布になっていました。
大学の4年になって、自分用に友達が持っていた某ブランドの財布のデザインをそのままで作りました。 これは、革の厚さの違いを考慮しないで、サイズもそのまま作ったため、1万円札は二つに折らないと札入れに収納出来ない代物でした。
社会人になって趣味にある程度、お金を掛けられるようになり、序々に道具を揃えるようになりました。当時の会社の先輩に財布等作り始めたのがきっかけで、今の徹創があります。 まさかここまで人に作るようになるとは、思ってもみなかったのです。
結婚してからは、奥さんに手取り足取り教えて、縫いに関しては僕より丁寧。 そして、今に至るといった感じです。